「あっ、やだやだ怖い」

ロックオンは自分の下にいる少女を見下ろし、早く早くと急かす自分の体を押さえ込み動きを止めた。少女の瞳には明らかに緊張とほんの少しの恐怖が映っていて、それをほぐすために汗ばんだ額にキスを落とす。きつく握りすぎて青くすらなっている掌を優しく包み込んで、大丈夫、と繰り返す。

紆余曲折を経てこの関係になり、何もかもが初体験のを怖がらせないようにゆっくりゆっくりと色々教えてきた。そして苦節一年。まだ早いかとも思ったが、いいムードになり恥ずかしそうに身を寄せてきたに理性やら大人の余裕は遥か彼方へ投げ捨てた。優しく優しく、真綿で包むように扱ってきたが怖がらないようにと全身を愛撫し、ようやく一つになろうというところでストップがかかった。

、大丈夫、力抜きな?」
「あっあっ、待って、」
「ゆっくりするから、な?」
「やっ…ロック、オン、やだやだ無理大きい!」

可愛いの口からなにやら聞いてはいけないような言葉が飛び出て、ロックオンは固まった。

「無理、むりむり、ごめんなさいっ、入らない」
「え、、ちょっと」
「やだっ、裂ける無理怖い大きい」

予想外の言葉にロックオンはどうするか迷い、だが今更止めろと言われても既に息子は戦闘態勢にとっくに入っていて、正直止めてしまうのは辛い。

「こ、この状態で止めろって言うのか!?」
「だって、だってそんなに大きいって知らなかったもん!それにさっき止めるなら今のうちだぞって!」
「そこはお前、『大丈夫、怖いけどロックオンなら平気よ…きて』って言うところだからだろ!」
「いやあぁ本当やめてくださいお願いします」
「止めてくれ!強姦してるみたいじゃないか!」



(間。)



先程までこの部屋を包んでいた甘い空気は吹き飛び、今は負のオーラを纏ったロックオンだけが部屋に残されている。は顔を真っ赤にしてシャワーを浴びにいき(逃げられた、あれは絶対逃げられた)、熱を持て余したロックオン一人がぽつんと取り残されたのだ。どうしてだ、途中までいい雰囲気だったじゃないか。俺か?俺のが…だったからいけないのか?こんな拒まれ方は予想していなかった。落ち込んだはいいものの、まだ息子は元気一杯らしく(空気を読め…馬鹿野郎)このままにしておくわけにはいかず、が帰ってくる前に一回抜いておこうと思い悲しい気持ちになりながら処理していると、意外に早くシャワーからあがってきたにその現場を見られた。

「きゃあああああああ!!」
「っうわあああああああああああああ!!!?」
「ごめんなさいごめんなさい!もう少しシャワー浴びてきます私なにも見てません!!」

騒がしく走り去ったの後姿を見送り、ロックオンは本気で泣きたくなった。…萎えちゃった。



(間。)



「私、ちゃんと勉強もしたの」

それからたっぷり数十分シャワーを浴びてきたは何故かロックオンとは目を合わせようとしない。断ってしまったのに加え、あんなシーンを目撃してしまっては当然だろう。恥ずかしさと罪悪感と、あとは恥ずかしさでだ。

「…そうか」

ロックオンもロックオンで、一人でしている場面を見られてしまい何度が戻ってくる前に逃げてしまおうかと考えたくらいで下を向いている。まさかあのような場面を見られてしまうとは、も恥ずかしいだろうがもちろん見られたほうはそれ以上に恥ずかしい。

「本とか借りて、あとビデオも知り合いに借りて…これは刺激が強すぎて見れなかったんだけど、今日こそは、って覚悟決めてきたのに…」

つまりは据え膳だったわけなのだが、両者にとって思いも寄らぬ障害が身近にあったというわけだ。

「あ、あの、もう一回…する?私、もう大丈夫!覚悟できたからっ!」
「いや、無理するな。本当は怖いんだろ」
「平気だよ!その、ちょっと怖いけど、」
、怖いなら止めておいたほうがいいと思うぜ」
「だ、だってロックオン一人でしてたんだよ!?」
「う!」
「私がやめてって言ったばかりに、一人で慰めることになって!」
「うう!」
「一回すっきりしてロックオンはもうやる気が無くなったかもしれないど…」
「…頼むから、もうそのことは口に出さないでください」
「わ、私は、…ロックオンと繋がりたいの。…駄目?」
「(ずきゅーん)」



(チャージ完了)



、…
「あ、っは、ろっくお…」
「…痛くないか?」
「んっ、ちょっとだけ、…全部入った?」
「ああ、」
「ロックオン…お願い、動かないで」
「は?」
「やっ、もうちょっと待って…」
「む、無理言うな。この状態でもきついのに」
「ちょっとだけだからっ…あっ、駄目駄目」

腰の辺りが甘く疼いたのを感じ、しかしまだ辛そうなを見止めて動きそうになる腰から意識を外そうと涙の伝った跡のある頬を舐めた。ぴくりとが動いてその振動が腰にまで伝わってきたが、からキスをされてギリギリなけなしの理性をとどめることが出来た。入っていいのに動いては駄目だなんてどんな拷問かとも思ったが、想像以上にが可愛いのでそれでもいいような気がしてきた。痛みが少ないようにどろどろに愛撫をしたが、やはり少し痛かったらしい。だが前戯を十分にしたおかげで破瓜の血は出なかったらしく、の負担が減ってよかったと思う。

のとろんとした目が、もう動いていいよと許可を出しているように見えたのでそっと動いてみる。びくっ、との体が跳ねたが痛みだけでではなさそうだ。やっと甘い雰囲気になれた、とロックオンは幸せを感じながらもう一度に唇を重ねた。





ヴィンテージローズ


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