笹塚さんは私よりもずっと大人でずっとずっと落ち着いていてこう、なんだ、大人の色香…?みたいなのむんむんで(と私は勝手に思ってる)笹塚さんと比べたらというかもう比べてはいけないくらい子供な私はたまには笹塚さんもわーって驚くようなことしてみたいな一矢報いたいなとか思ってたわけで。そんな思惑を持った私にむぼうびにも近づいてきた笹塚さんは今は私が押し倒しているようなじょうきょうで、あの、すいません…。笹塚さんは私のことしんらい…、そう、信頼していてくれたから押し倒せたのだよ。そんな笹塚さんを押し倒してしまったときにはなんかもう私のもうがわーって感じになっちゃってなにしたらいいんだ押し倒したあとってなにしたらいいんだ一生懸命頭を動かせ高校最後の古文のテスト二十点だったどうしようお母さんに見せてなかったとかいろいろなこと考えていたけど私のとってしまった行動は、こうなったら勢いのあるままキキキキキキスしちゃええええええ!!っていうなんかもう私これちじょなのか?大人の男の人を襲ってしまうちじょになってしまったのか?と、そのまま笹塚さんの唇をうば、うばってしまったのだけども、勢いが良すぎておもいっり歯がぶつかっちゃったよぎゃあああああああああ「……ちゃん」ヒィィ!!

「すすすすすみません笹塚さんこれはほんの出来心というか」
ちゃん」
「は、はい!!」

笹塚さんは半狂乱になっている私の肩に手を置いてゆっくりと上半身を起こした。これも大人のよゆう、なんだろうか、自分はなんてことをしてしまったのかと真っ赤になっているだろう私に比べて(やっぱり比べちゃだめなんだよな)笹塚さんはいつもと変わらないような表情、あ、あれ、ちょ、ちょっとは変化ある、かな?で私をまじまじとみている。うわぁぁぁそんなに見ないでください私風穴あいちゃいますよ風通しよくなっちゃいますよ、うぅ、だめだったよやっぱり笹塚さんは私みたいなこどもがいきなり押し倒してちゅうしちゃっても(失敗したけど)微動だにしないお、大人なんだ、自分から仕掛けたくせに、ものすごくどきどきして、笹塚さんのお顔を直視できない私が大人な笹塚さんの横にいちゃ、だめなんだ。ごめんなさい笹塚さん私もっともっと大人になるから、キスだって、失敗しないようにするから、笹塚さんがやるみたいに、はなれたあと腰砕けになるようなキスできるようになって、いつか笹塚さんの腰も砕けさせれるようになるから、あきれないで。

「ほんとに、可愛いこだな、あんた」
「!!」

う、うおぉぉ!?さささささささささづかさんが私の耳元で低音ボイスををををを!?え、えろ!なんだかええええええろ!!さ、笹塚さん、えろっ!声ひとつで私の腰を砕けさせるなんてさすが大人は違うぜ!そう言って笹塚さんはゆっくり私に近づいてきて、私が何かを言う前に私の唇を奪った。(きゃー!)う、うわわ、やっぱり、笹塚さんの、その、あれは、私がするのより遥かに上手で、私は泣きたいわけじゃなかったのに勝手に涙が出てきた。ゆる!私の涙腺ゆる!ただの、唇を合わせるだけなのに、勝手に出てきてしまうなんて、わ、わたし、どうしたら!真っ白になった私の頭の中なんて知る由もなく、笹塚さんは私の薄く開いた唇の隙間から舌を入れてきた。お、大人だ、大人!私がしたときなんて勢いありすぎて歯がぶつかって痛かっただけなのに、その、…なんだ、笹塚さんがするのは、きもちいいんだ。どうしていいかわからなくなっていつも固まってしまう私に構わず笹塚さんは私の口内を探索?する。ぜ、絶対私、顔赤いよ…っ、な、なんていえばいいんだろう?笹塚さんの手は冷たいんだけど、く、くちびるはあったかいっていうの?うわ、いやだなんかえろいこと言ったみたいなかんじになった!えろい!悪い子!

「さ、ささづかさ」
「ん?」
「わ、私、がんばって笹塚さんの腰を砕けさせますから!」

え、あ、あれ?私なんか変なこと言っちゃった、かな?笹塚さんの表情が、ちょっとびっくりしたような表情になってる。さっきのキスで私のあたまのなかとけてしまったんじゃないかってくらい今私頭とろんとしてる、よ。「それ、誘ってる?」え?誘ってる?え、ええ?う、うわ、笹塚さんが私のほうへ倒れてくる。頭ぶつけないように、一生懸命笹塚さんのちょっとしおれたコートを掴んでたら私の頭、というか背中?あの、後ろ全体が私の住んでいる築二年の新しいマンションのフローリングについた。いつも掃除してるし、今日は笹塚さんが私のお部屋に来てくれる日だったから一生懸命掃除して床は綺麗なんだけど、え、え?なんで、あれ?なにこの体制。上を見ると、笹塚さんがいて、あれ、え、そんな感じなの?え、まさかだよね、まさか、…え?いや、はじめてじゃないけど、笹塚さんとこんなことになるのははじめてじゃないけど、でもまだなれないっていうか、恥ずかしくてしにそうになっちゃうっていうか、 「んっ」さ、笹塚さん!だ、だめですよ私がなにか考えているときにキスしたら私頭真っ白になっちゃうから…あ



(真っ白)






笹塚さんは私よりもずっと大人でずっとずっと落ち着いていてこう、なんだ、大人の色香…?みたいなのむんむんで(と私は勝手に思ってる)笹塚さんと比べたらというかもう比べてはいけないくらい子供な私はたまには笹塚さんもわーって驚くようなことしてみたいな一矢報いたいなとか思ってたわけで。そんな思惑は大人の笹塚さんにはまったく通用しなくて、逆にこっちがわーってことになっちゃって、頭の中真っ白で、高校最後の古文のテスト二十点しか取れなかった私の頭じゃだめなんだなぁ、外側ばっかが成長して(どうして胸は成長してくれないのだろう)内側はまだまだこどもな私を丸ごとつつんでくれる笹塚さん。いつかもっと上手に押し倒せて笹塚さんの腰が粉々になるまで砕けさせられるようなキスができるようになったら、ちょっとは私も大人に近づけたってことになるのかな。ううん…程遠い。 inserted by FC2 system